2026年6月の代表メッセージ

6月の代表メッセージ


☆2026年6月17日☆
[いじめから子供を守ろう メールマガジン]

◇ 代表メッセージ ◇
■□ 私立学校のいじめ対応は困難 □■

6月にはいりました。そして、梅雨にもはいりました。
梅雨が好きだという方もいらっしゃると思いますが、あまり好かれていないように思います。
しかし、この雨の季節がないと、真夏の水不足が待っています。
秋の収穫にも影響してくるでしょう。
うっとうしい梅雨ですが、あじさいの花を見かけると、美しくほっとします。

1990年代後半ぐらいから「ネットいじめ」という言葉が使われるようになって30年近く経ちます。
今や、子供たちのネット利用率が100%と認識され、
いじめ事件において、スマホが使われるのは当然の世界になりました。
「いじめ」と「ネットいじめ」の境界がなくなったと言えます。
5月26日の共同通信は、
「サイバー警察部、全国に 施行令改正、設置可能」
という報道をしています。
引用いたします。
——–
政府は26日、
都道府県警がサイバー警察部を設置できることを盛り込んだ改正警察法施行令を閣議決定した。
公布・施行は29日。
サイバー情勢の深刻化を踏まえ、人材や捜査情報を集約し、取り締まりの徹底を図るのが狙い。
各警察が発生状況などに応じ、設置を決める。

都道府県警のサイバー担当課の多くは生活安全部に所属しているが、
別の部にも関連部署を置いているケースも。
警察庁は4月、より高度で効率的な業務を行うため、
全国の警察にサイバー部門の一元化を検討するよう指示していた。
(中略)サイバー警察部を設置しない場合、警務部がサイバー担当になることを想定している。
——–
「遅いな」という感じがしないでもないのですが、
匿名流動型犯罪で高校生が殺人を犯すような現在です。
サイバー警察がネットを介したいじめにも積極的に関わっていただけることを期待したいと思います。

さて、私たちは「私立学校のいじめは解決するのが難しい」と発信しています。
あくまでも、私たちのところに来る相談を見ているとですが、
公立学校の場合には、学校を監督する教育委員会という組織があり、
学校がいじめの相談を受け付けなかった場合に教育委員会に相談すると
8割、9割の確率で解決していただけます。
しかし、私立の学校の場合、両極端の学校が存在します。
いじめを必死に解決しようとする学校と、徹底的に隠蔽する学校です。

長崎の私立高のいじめ事件で、6月8日に地裁での判決がありました。
いじめは、中3の時に「お腹の音」へのからかいから始まりました。
高校に進学した後も精神的な苦痛から逃れられずに自殺にいたったという事件です。

時事通信を引用いたします。
——-
長崎市で2017年、私立海星高2年の男子生徒=当時(16)=が自殺したのは、
学校がいじめ対策を怠ったのが原因として、
遺族が約3200万円の損害賠償などを、同校を運営する学校法人に求めた訴訟の判決が
8日、長崎地裁であった。
松永晋介裁判長(村上典子裁判長代読)は、
いじめの一部は未然に防止できたとして、330万円の支払いを命じた。
自殺に対する賠償請求は退けた。
松永裁判長は、男子生徒が中高一貫の海星中3年時、
おなかが鳴る音を同級生にからかわれるなどされた行為をいじめと認定。
早期に発見する体制を構築していれば教員らは容易に把握できたとして、
学校側に安全配慮義務違反があったと判断した。

一方、ほかのさまざまな要因が相互に作用して自殺に至ったとした上で、
学校側が予見することは「極めて困難だった」と指摘。
自殺による損害への賠償責任は認めなかった。
——–

裁判所は、いじめと自殺の関係を認めなかったように見えます。
しかし、TBSによりますと、第三者委員会の報告書には、
「自死の要因を1つに特定することは困難であるが、
本委員会としては少なくとも、前述した中学3年時以来のいじめを主たる要因としつつ、
これに起因した心理的な孤に独・音に対する過敏な心理状態、教師からの理不尽な指導、
学習に対する悩みや焦りなどが相互に作用し合って自死に繋がっていったものと考える」
と述べられています。

さらに気になるのは、学校がいじめを一切認めようとしなかった姿勢です。
判決前の3月7日のTBSのニュースで、
「海星高いじめ自殺訴訟が結審 公園で命絶った16歳…
学校側は「作り話だ」最後まで対立変わらず 判決は6月」と報道しています。

——-
「当時の教頭は、本件事故がいじめによるのではないかとの疑いを抱いていた原告らに対し、
(2017年)4月27日に「マスコミが騒いでいるので突然死にした方がいいかもしれない」と述べ、
Aの自死を一方的に対外的に突然死扱いとするよう勧めてきた。
また、翌日の28日にも「(中略)遺族が望めば、転校ということにもできる」と述べ、
Aの死後間もないにもかかわらず、その事実自体を隠蔽することを勧めてきた」

母親は(本年3月)2日の意見陳述で、学校側の姿勢に加え、
私立学校に対する行政の監督が届きにくい現状を強く批判しました。

「(前略)私立学校は何でもできて、誰もそれを指導できない、ということも知りませんでした。
現に長崎県に相談しても私立学校には指導できないと言われ、
文科省に問い合わせても私立学校の管轄は県にあると言われ、たらいまわしにあいました。」

3月2日に結審した裁判。
学校は「最終準備書面」で、亡くなった生徒が書き残したメモについて
「作り話の可能性がある」と主張、最後までいじめの存在を認めませんでした。

——-

私たちは、このお母さんの陳述にあるように、私立の学校を指導できる組織が存在しないという、
そのとおりのいじめ事件に何度も遭遇してまいりました。
私立の学校を指導できる上位組織が存在しないのです。
ただ、先日、受けたいじめ相談では、
都道府県の教育委員会や私学協会に相談したところ、学校に電話してくれ、
「しっかりと対応するように」と求めたため、解決に向けて大きく前進したということもありました。
また、私立大学の付属の学校では、大学に訴えると解決に向かう事例も多くあります。
私学の学校に「いじめ解決」促すことは、ハードルがやや高めではありますが、
大半は、いじめを解決できますので、
早めにご相談いただければと存じます。

6月、梅雨の季節、子供たちの気が滅入り、いじめにつながる危険もあります。
どうか、子供たちへの毎日の声がけを大切してください。

一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明

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